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ストラトのシンクロナイズドトレモロをウィルキンソン「VSVG」に交換する方法と2つの注意点

2024年5月13日

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みなさんシンクロナイズドトレモロ(以下、トレモロ)を使用していますか?

僕はジェフベックさんの大ファン!ハーモニクスの音程をアーミングで操るテクニックは、僕の中での最高の武器になっています。

 

  • アーミングをするとチューニングがズレてしまう
  • アームがガタついている

トレモロに何かしらの悩みを抱えている方は、高品質なトレモロに交換することで解決するかもしれません。トレモロの交換はグレードアップの定番です。わずかな時間で交換可能です。

今回、トレモロをウィルキンソン / VSVG Goldに交換したので、トレモロの交換方法や使用した感想などを紹介します。

トレモロユニットを交換するのはワーモス・ストラト

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このギターは、僕のギター歴におけるいろいろな初めてが詰まっている大切なギターです。

 

ワーモスストラトに搭載しているトレモロ

僕のワーモスストラトに搭載しているトレモロは、「WV6SB-Gold」というウィルキンソンのトレモロ。

WV6SBは安価で高品質

WV6SBは、5,000円~7,000円程(カラーによって変動)で売られている比較的安価なトレモロユニットですが、チューニングの安定感やアーム操作の良さなど、同価格帯の他社製品とは一線を画すものだと思います。

いろいろな曲やライブ、セッションなどで使用しているギターですが、チューニングには安定感があり、演奏中に困ったことはありません。

トレモロを交換する理由

購入したものと違う商品が届けられていたのが交換の理由です。

VSVGを購入したはずですが、WV6SBが間違えて届けられていたことに長く気付きませんでした。初めてのストラト&ギターの組み立てというところでテンションが上がっていたのでしょう。購入から4年以上経過しており、ショップへの返品・交換は当然できないため、新たに購入・交換することを決めました。

間違いに気が付いたんだから、もともと計画していた本来の姿を再現しようじゃないか!!

トオル
安価なWV6SBでも、これまで問題なくレコーディングやライブで使用できていたため、逆にウィルキンソン&ゴトーへの信頼は爆上がりです。

Wilkinson by GOTOH / VSVGをいざ開封!

VSVGの付属品

 

VSVGのセット内容

  • VSVG本体
  • アーム
  • スプリングハンガー
  • ハンガー固定用ネジ:2本
  • スプリング:3本
  • レンチ:3本
  • トレモロユニット固定用ネジ:6本
  • マニュアル

VSVGを手に持ってみた感想は「各処理が丁寧ですごくキレイ!」キレイよりも「美しい」の方がニュアンスが近いです。多くのギタリストやギターメーカーから信頼されているのが分かります。

 

ウィルキンソン「VSVG」にある3つの特徴

”ヴィンテージのフィーリングとサウンドを備えたブリッジ”を謳うVSVG。その特徴は主に3つあります。

VSVGの特徴

  • トレモロ固定用のネジ穴を楕円形(ナイフドエッジ)にすることで、穴とビスの絡みが無くなり、アーミングやチョーキングをした際にトレモロユニットが元の位置に戻りやすくなっている。
  • 調律ポイントにかかる弦の角度を適正になるように、スチールブロックの弦穴が加工されている。
  • サドルから弦高を調整するネジが出ないので単純に弾きやすい。

VSVGは、ウィルキンソン独自設計のトレモロナイフドエッジと弦穴によって、トレモロの弱点である”チューニングの不安定さ”を軽減しています。

ココがおすすめ

VSVGは、フェンダーストラトなどに無改造で載せ替えできます。

 

重量級!?VSVGの重量を計ってみた

WV6SB

VSVG

機種名 重量
WV6SB 293g
VSVG 331g

WV6SBとVSVGの重量には、約40gの違いがあります。

 

トレモロの重量アップによる音の変化

  • サスティンがアップする
  • 音の輪郭がはっきりとする
  • 低音に迫力が出る

トレモロの重量によってギターの音に上記のような変化があるということですが、僕は感じ取れるのでしょうか?

ウィルキンソンのVSVGに交換!トレモロユニットの交換方法と注意点

元々載せていたWV6SB

今まで使用していたWV6SBは、だいぶ汚れています。新しいトレモロに交換することで、見た目の印象も大きく変わるはず。

トレモロの交換に使用する工具として、次のものを用意しました。

  • はんだこて(※スプリングハンガーを交換する場合のみ使用)
  • プラスドライバー
  • ラジオペンチ
  • VSVG付属のレンチ

①WV6SBを外す|古いトレモロを外す方法と注意点

トレモロを外す流れ

    • 弦を外す
    • ボディ裏のスプリングを外す
    • スプリングハンガーを外す(そのままでもOK)
    • トレモロをボディに固定しているネジを外す

弦を外した後、下の画像の赤丸内にあるネジを外せばトレモロユニットも取り外せます。

赤丸内のネジを外す

スプリングはスプリングハンガーに引っかかっているだけです。スプリングハンガーのネジを十分に緩めてからスプリングを外しましょう。固いスプリングを使用している方は、ラジオペンチを使用すると安全に取り外せます。

注意ポイント

弦を張った状態でスプリングを外すのは危険なので、絶対に弦を外した後にスプリングを外してください。

スプリングを外したスプリングハンガー

スプリングハンガーを新しくする場合に必要なのが出力の高いはんだこて。

ポイント

スプリングハンガーは大きな金属です。そのため、W数の大きいコテを使用しないと十分にスプリングハンガーが温まらず、はんだ付けされたものを外したり、はんだ付けしたりすることができません。

シールドやエフェクターを自作する人は10~30W前後のものを使用している方が多いのではないでしょうか?出力が高いはんだこてが必要なことが、今回行ったトレモロユニット交換の盲点でした。

トオル
今回のトレモロ交換にあたって、60Wのはんだこてを用意しました。

②VSVGを取り付ける|新しいトレモロの取り付け方法

トレモロを外す流れ

  1. VSVGを専用のネジで取り付ける
  2. スプリングハンガーを付属のネジで取り付ける
  3. スプリングを掛ける
  4. 調整をする
  5. 弦を張る

step
1
VSVGを専用のネジで取り付ける

注意ポイント

トレモロを固定するネジの締め過ぎは、トレモロやギターのボディを傷付けてしまうので注意が必要です。

ネジの締め具合についてですが、僕はいつもレシートがネジ下にギリギリ入る程度に調整しています。ただし、VSVGの一番右側の穴はトレモロユニットの横ズレを防ぐ役割となっているとのことで、マニュアルに従ってしっかりと締めました。何度も書きますが、ネジの締めすぎはNGです。

レシートがギリギリ入るくらいを目安にネジ絞めました。

step
2
スプリングをスプリングハンガーに掛ける

2本のネジを軽く締めてスプリングハンガーを取り付けた後、アース線をスプリングハンガーの任意の箇所にはんだ付けしたら、スプリングを掛けます。

スプリングの掛け方に正解はありません。本数でギターの音色やアームの操作性に違いが出るため、好みで調整します。僕は大好きなジェフベックさんに倣ってスプリング2本を「ハの字」に掛けています。

トオル
ハの字掛けは、アームが軽くて操作がしやすいです。

step
3
VSVGの調整を付属レンチで行う

ウィルキンソンのトレモロは、アームが一般的なネジタイプではなく、イモネジで固定するタイプです。

演奏しやすいように付属のレンチを使って調整します。ネジの締め込みに対してトルクがシビアなので、少しずつネジを締めていくのがおすすめ。

アームがプランプランとしているのが好みです

続いて、弦高調整を行います。

サドル1つにつき2本ずつある弦高調整用のネジを均等に回しましょう。

弦高調整もレンチを使用

オクターブチューニングは、付属のレンチでサドルの位置を固定しているネジ(各サドル中央にある黒いネジ)を緩めてから、VSVG背面にオクターブチューニングを調整する専用ネジを挿し、左右に回しながら調整します。

オクターブチューニングの様子

各種調整をしたら弦を張って交換作業の終了です!

弦を張ったら、弦とスプリングの張力が釣り合うようにスプリングハンガーのネジを調整(締める / 緩める)しましょう。

おわりに

無事にWV6SBからVSVGへの交換が終了しました。

もともとウィルキンソンのWV6SBを使っていたため、操作性や音色に大きな変化は感じないものの、サスティンは気持ち程度アップしたように感じます。

音色やサスティンなどよりも「交換してよかった」と感じるのは、”ミュートのしやすさ”と”チューニングの安定度”です。

「サドルのイモネジってこんなにミュートの邪魔をしてたんだ」ということに気付かされました。チューニングは、WV6SBでも特に不満は無かったのですが、VSVGはさらに安定感が増しており、激しくアーミングをしても安定しています。

トレモロユニットの交換を検討している方は、VSVGへを候補の1つに加えてみてはいかがでしょうか?

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大橋とおる

「音楽がやりたい」という気持ちで一念発起!未経験からWEBライターになったアラサー男子です。埼玉県(戸田・蕨市)担当としてYahoo!ニュースで取材記事を執筆しはじめました。バンド”Candy and Trappy”や”弾いてみた”で音楽を発信しています。

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